【こんな症例も治りますシリーズ 794】 『 治りにくいで有名な 腸管内寄生虫による慢性軟便 』も適切な診断と治療で治します

↑ 上のイラストは、両方ともにジアルジアです。

■ 左が普段の姿の『栄養型』です。

■ 右が駆虫薬が効きづらい『シスト型』です。

 

 

参照サイト:

https://00m.in/vMlLc

 

犬 ウェルシュコーギーペンブローク 5カ月齢 メス(未避妊手術)

 

 

【 1回目の狂犬病の予防注射で来院したのですが、便が少しゆるく、1日の便の回数が6回以上との事 】でした。

 

 

 

 

◆◆ 仔犬の時は成犬よりも便の回数は多くなる傾向があるのですが、かなり回数が多かったので便検査をしたところトリコモナスという寄生虫がいることがわかりました。

 

 

 

 

 

■ トリコモナスは腸内に感染し、下痢や血便、さらには脱水症状を引き起こすことがあります。

 

 

 

■ トリコモナスはペットショップやブリーダーなどで感染した仔犬や仔猫に多いですが、免疫力が低下している動物にも見られます。

 

 

 

 

 

◆◆ 今回はトリコモナスに対する駆虫薬を処方すると同時に、他の病原菌の可能性も考え糞便を外部検査センターに精密検査を依頼したところ、ジアルジアという寄生虫も寄生していることがわかったためジアルジアの駆虫も行いました。

 

 

■ これらの寄生虫は、原虫という分類になります。

 

 

■ 原虫には、多くの駆虫薬に薬剤耐性を持った寄生虫が多いのが特徴です。 つまり、治りにくい薬剤耐性の寄生虫が多いのです。 理由は、シスト(嚢子)という卵のような殻が出来て、この殻が薬に対してブロックする役割を果たします。

 

 

 

 

 

★ 一時期、治ったかなと思っても再発するのは、この駆虫薬が効かなかった『 シスト型原虫 』がいる可能性が高いためです。

 

 

 

 

 

 

◆◆ 今回の症例は、便の形も正常になり、便の回数も正常に戻ったとの事でした。

 

 

 

■ ただし、今後の再発を注意しておかないといけません。 当院には、薬剤耐性の際に行う治療方法があり、多くの子が治ってきました。

 

 

 

 

 

◆◆ ペットを飼い始めた時は、寄生虫などに感染していることが多いため、気になる症状があるときは早めに相談下さい。

 

 

 

 

 

 

獣医師 長谷川英哲

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